ジェンダー、および、暴力の形

14日のことになるが、内閣府から「男女間における暴力に関する調査」報告書が発表された。一通り目を通すと、やはり経済的・体力的に不利な女性の被害が多いようだ。ほとんどの項目で男性の被害者の割合は女性のそれを下回っている。
さて。この報告書の存在を知ったのは、読売新聞この記事がiチャネルに入っていたからなのだが。この記事が曲者である。
見出しが『女性の3割、夫から暴力・嫌がらせ』で、記事の内容に間違いは無いようだが、内容は女性の被害だけを扱っており、男女両方の結果を載せている内閣府発表の内容の一部を意図的に拾い上げたと思われる。
先に述べたとおり、確かに男性から女性へ行われた暴力の割合のほうが多い。しかし、男性の被害も少なからずあるのにも関わらず、それは割愛。…女性を被害者・男性を加害者に見立てるのが、男女平等ですか?「女性は被害者だ」と見做してること自体が性差別だと思うのですが。。
身体的な暴力は誰が見ても分かるし、誰もが「被害」と思ってくれる。では言葉などによる精神的な暴力はどうか?あくまで個人的な感想だが、男性に対する女性の精神的な暴力は時として、女性に対する男性の身体的暴力以上に強力でタチが悪いのではないか。精神的暴力のエネルギーが、グーで顔や腹を殴るのと同じかそれ以上だとしても、客観的事実として被害の程度を判別しづらく、さらには誰も「被害」とは思ってくれない場合すらある。そして精神的暴力は、客観的基準も、相手の被害の程度もはっきりしないのをいいことに、日々繰り返されたり際限なく相手を追い込んだりしていくのではないだろうか。
時折言っていることだが、、家族像の中で男性・特に父親を軽んじる風潮があるように感じられ、非常に苦々しい。たびたび父親を指して「ハゲ」とか「どんくさい」とか言っていた知人家族があったが、自分が持つ家族はそんなことがないようにしたい。


ちなみに先の新聞記事、数字の印象を操作するテクニックの勉強になります。気をつけて読んでみましょう。