福岡に住む男性が、出生から46年後に、育てられた両親と血縁関係が無いことが初めて分かったというニュースが流れている。自己の存在のルーツを揺るがされたことはあまりに悲痛だと思う。そして、現在その男性は必死に実の両親を探しているという。
ただ・・・男性は実の両親と会いたい、話をしてみたい、というが、それは「実の両親が育ててきたのは別人だった」「実の両親だと思っていたのは別人だった」ということを知る人が、おそらく3人以上増えることを意味する。そのことを考えたとき、不覚にも「傲慢な人だなぁ」と思ってしまったのだが・・・
男性はそんなことは承知し、それでもなお実の親を目にしたい、話をしたいという根源的な希求が強く自分を動かすのだろう。自分の悲しみを知るが故、相手がそれを知ることに対しては相当な覚悟の上で臨んでいると思いたい。
部外者からは、せめて、まだ見ぬ親と、その子と、よい出会いとなるよう祈るより他に無いのかもしれない・・・