場所ニューロン

ものの本によると、脳の海馬には記憶に従って、特定の場所に行くとその場所に対応して活性化される部位があるそうだ。
本日行った場所は日常と非日常の狭間…普段は行っていないが、非日常と言うほどには「日常」から離れていないところ。到着してから、理由も無いのに何故か楽しい気分になっていた。少し不思議に思っていたのだが、用事を済ませているときに、ふと気づいた。そこは、過去に楽しかった記憶が残された場所であり、その記憶の感情だけが再生されているのだと。
日常の場所における記憶は日々上書きされ、平滑化されていく。一方、非日常の場所における記憶は全体が明確に認識される。今回の体験は、場所ニューロンの働きと、記憶の再生の度合いの組み合わせの妙によってもたらされたものだろうか。
それにしても、現在得られることのない感情だけが再生されるのは、それが楽しいものでも悲しいものでも、何故か切ない。