相変わらず郵政民営化法案に関して論議が活発である。個人的な考えとしては、今の時点での、今のやり方での民営化決定には大いに疑問が残る。
そんななか、ある駅近くで「関西労組交流センター全逓労働者部会」を名乗る団体によって「郵政民営化法案を労働者の力で廃案へ」と題したビラが撒かれていた。
そこには、現在の郵政関係労働者にとって、民営化によってもたらされる変化が、いかに酷であるか、あるいは、法案の内容がいかに不利益になりえるかが書かれている。・・・が。ビラの最後で「われわれの職場要求」として、「郵政3事業の分割・民営化絶対反対!」や勤務環境・条件の改善と、なぜか並列に「小泉政権打倒!」「自衛隊イラクからの即時撤兵をかちとろう!」とか「『日の丸・君が代』不起立=戦争拒否で戦う教育労働者を支援・連帯しよう!」とか書いてある。
郵政民営化とまったく関係が無い(少なくとも、そのビラを見る限り明確あるいは自明な関連性は見出せなかった)内容を突然打ち出すこれらは一体何を目的としているのか??
本質的に異なる要求をいっしょくたにし、民営化反対という「民意」「世論」に便乗しようとしているようにしか見えない。
自衛隊撤退や「日の丸・君が代」不起立は郵政とは独立した問題である。もし、本質的には「小泉政権が悪い」と考えているなら、「郵政民営化法案を労働者の力で廃案へ」という題ではなく、「打倒小泉政権」といった題にし、小泉政権を支持できない理由をそれぞれ述べればよい。あるいは、もし郵政民営化反対を訴えたいなら、(おそらくそれによって実際に損害を受ける労働者の、当然の行動として)民営化反対「だけ」を主張すればよいはず。
題と内容、強引な論理展開と結論に、不自然さ・胡散臭さがつきまとう。ついでに、文章の格式というかレベルの高さも無い。例えば、「JPU」なる組織名が、文章中で重要な語として何度も登場するが、注釈も説明も無し。身内を対象としたものならいいかもしれないが、「日本郵政公社労働組合」だとは誰もわかりません。
このようにして、正当で真っ当な民営化反対の意見もあるはずなのに、余計な主張を持ち込むのは、本来の主張の正当性・実際の労働者の利益を損ねることになりうる。
余計な行動は迷惑だからやめてください。