思い込みと言っても、善し悪しがあるんよ。(「思い込み」という言葉自体に存在する否定的な語感は、通常使われる文脈で悪い意味を持つ場合が多いことから発生するのだろう)
本人を幸せにし、他人に迷惑を掛けない「よい思い込み」はむしろ価値がある。典型的なのが恋愛におけるもので、「結晶作用」と呼ばれることもある。その思い込みがもし事実ではないとしても、「それは思い込みだ」とか言うのは愚の骨頂。善意だとしても、余計なお節介ここに極まれり、ということになる。
一方で悪い思い込みは、他人に迷惑を掛けるに留まらず、本人をも不幸にしてしまう可能性がある。典型的なのはカルト宗教や占いや単なる自信過剰で、それを信じこんでいる人間によって、悪意は無くても周りのひとに大迷惑(あるいは被害)を与えたり、憐れなことに、最終的に悪い結果が本人に返ってきたりする。