ここで、「ほぼ確定的」と言っていて、断言できないのは、第三者の介入や錯誤の可能性があるから。もしかしたら、二人の証言は二人にとっては「真実」だが、例えば誰かが弟の名前を勝手に使って「兄に頼んでたよ」と言ったという「隠された事実」があるかもしれないし、例えば弟が兄に「普通は長男がやるけど・・・」と直接発言したという「事実」があるとしても、「普通は長男がやるけど・・・(今回は俺がやる)」という意味だったのに「普通は長男がやるけど・・・(だからやってくれ)」と「解釈」されたかもしれない。
これが、事実と真実の違いの一例である。
「証言は必ず正しく、証言以外の事柄は無い」という思い込みは、恐るべき被害を作り出すことがある。十分注意しなければならない。